最終更新: 2019年8月5日

 貿易取引を始めようとすると、貿易取引に特有の書類がいくつも登場してきます。これらは主に船に積んで出荷するときに必要な書類なので、船積書類と呼ばれています(船に積まないときもそう呼ぶのですが…)。

 最初のうちは前回の取引の際の書類等を見て、その通りに「この欄にはこれを記入すれば良い」というやり方でも仕事はこなせますが、それぞれがどんな意味を持つ書類かを理解すると、いつもと違うことが生じたときも自分でどうしたらよいか判断でき、仕事もより楽しくなりますよね。それぞれの書類やその記載事項が何のためにあるのかを意識して書類作成に取り組みましょう。

 まずは代表的な船積書類をいくつかここで簡単にご紹介します。


1). INVOICE(送り状・仕入れ書)

 貿易取引には必ず登場するインボイス。これは商品の金額や種類の明細書で、輸出者から輸入者への請求書としても使用されるほか、通関手続きの際にも必要となる大事な書類です。

 

2). PACKING LIST

 貨物の梱包明細書。業務上はパッキングリストとかPL等と呼ばれます。

 長い距離を輸送する貿易取引では貨物がしっかりと梱包されるため、外観からは中に何がどれだけ入っているのか分かりにくいですよね。そのため、パッキングリストには梱包ごとの荷印、内容明細、正味重量、総重量、容積等を記載して、書類から内容物がわかるようにしています。

インボイスと同様に通関手続きの際に必要となる書類です。


3). B/L(Bill of Lading:船荷証券)

 貨物を船で出荷した際に発行される運送証券をB/L(BILL OF LADING:船荷証券)といいます。

 B/Lは

   ①船会社が輸出者から貨物を受け取ったことを証明する受取証

   ②荷主と船会社との運送契約の証拠

   ③輸入者が輸入地で貨物を受け取る際に必要となる引換証

 という様々な性質を持つ重要書類です。

 特に③にあるように、B/Lは貨物の引換証、つまりB/Lの持ち主が貨物を受け取ることが出来るため、貨物そのものと同等の価値があるといえます。その意味でB/Lはほかの書類と違って、ただの手続き上の書類ではなくそれ自体に価値のある有価証券なのです。


4). AIR WAYBILL(航空運送状)

 飛行機で貨物を出荷すると発行される運送証券をAIR WAYBILLといいます。

 B/Lとは違い有価証券ではありませんが、以下のような性質を併せ持つ書類です。

   ① 航空会社の貨物受け取りを証明する受取証

   ② 運送契約の証拠書類

   ③ 運賃その他料金の請求書

   ④ 税関申告書類

   ⑤ 運送品の取り扱い等についての航空会社への指示書


5). 保険証券(Insurance Policy)

 貿易取引の際には商品輸送時の事故発生のリスクが高いため、通常貿易輸送用の保険(貨物海上保険)をかけて輸送します。

 CIF等の貿易条件で輸出者側で保険を付保した場合には、貨物到着後に輸入地側で商品の破損や滅失が発見された際に保険金請求できるよう、他の必要書類とともに輸入者に保険証券を送付してあげる必要があります。


6). 原産地証明書(Certificate of Origin)

 その商品がどの国で生産されたものかを証明する公的な証明書です。国によって発給できる機関が決まっており、日本では商工会議所が発給機関となっています。

 日本がEPA(経済連携協定)を結んでいる国へ商品を輸出する場合は、現地での関税が通常よりも安くなる場合があります(EPA相手国からの輸入の場合も同様)。その場合には、協定相手国からの輸入品であることの証明のために、原産地証明書が必要になりますが、このとき必要になる原産地証明書は「特定原産地証明書」という特別なもので、日本商工会議所で発給してもらえます。

最終更新: 2019年8月5日

貿易書類のなかでも基本中の基本インボイス


 インボイス(仕入れ書)は、貿易書類のなかでも基本中の基本書類ですね。商品の金額や種類の明細書で、輸出者から輸入者への請求書としても使われますが、通関手続きの際にも必要となります。

 

 国内取引の請求書のフォームが会社によって異なるように、インボイスの形式も「こうでなくてはならない」というものは特にないため会社によってフォームはまちまちですが、インボイスをみれば契約の内容がひととおり理解できるように、以下のような項目を記載します。


インボイスの記載例

【インボイスの記載事項】

① 輸出者名・住所

② 輸入者名・住所

③ 作成日

④ インボイス番号

⑤ 船積みする船名・船積日

⑥ 船積港・荷卸港

⑦ 商品ごとの品目名・数量・単価・総額

⑧ 荷印

⑨ 梱包総数

⑩ 重量

⑪ 支払条件

⑫ 貿易条件

⑬ 輸出者の署名





 

 

 

 

 

 インボイスは、すべての基本となる書類ですので、間違いのないように記載しましょう。

 

 上の記載例でいくつかポイントを説明すると、①は書類のヘッダーで、通常書類作成者の社名と住所が入るので、ABC CORPORATIONが輸出者とわかります。BuyerのUN Foodsが輸入者ですね。

 ④のインボイス番号は国内取引でいう請求書番号ですので、輸出者の任意の番号でOKです。

 ⑦には商品名・数量・単価・金額が記載されていますが、金額はどの国の通貨なのかわかるように記載しましょう。例えば同じドルでも、米ドル、香港ドル、オーストラリアドル…とありますよね。信用状取引の時には、信用状に書いてある商品名とインボイス上の商品名がきっちり一致していなければなりません。作成時にはスペルミスなどのないように注意してください。

 ⑧の荷印、これはその貨物が誰のもので、何が入っているのか識別するために貨物の梱包に付けられた印です。輸入者名(誰のものかわかるように)、仕向港(途中で迷子にならないように)、ケース番号(全部で何箱あってこの箱はそのうちの何番目か?何が入っているか?がパッキングリストと照らし合わせばわかるように)、原産地等が記されます。

C/No.はCase Numberの略で1/200というのは、200箱あるうちの1番目の箱という意味です。実際の貨物には1/200、2/200、3/200というように各梱包に順番に番号が振られています。⑧⑨から、この貨物の場合、UN Foods宛ての香港向けの貨物が200箱あるということがわかりますね。

 ⑪の支払条件も重要です。記載例ではT.T.Remittance in advance(電信送金前払い)ですが、L/Cや荷為替手形決済の場合はここにat sight(一覧払い)、at 30days after sight(一覧後30日払い)等の支払期日も記載するようにしましょう。

【支払条件のその他の記載例】

  ・L/C at sight(L/C一覧払い)

・L/C at 30days afer sight(L/C一覧後30日払い)

  ・T.T.Remittance within 30 days after B/L date(B/L発行日から30日後電信送金)


 このほか、信用状取引の場合には信用状番号や信用状発行銀行等も記載します。


 ところで、実はインボイスにもいろいろ種類があるのを知っていますか? 


【Commercial Invoice】

 輸入者向けの請求書として作ったインボイスをCommercial Invoice(商業インボイス)といって、通常ただ「インボイス」というときはこのCommercial Invoiceを指しています。

【Customs Invoice】

 一般的にはこのCommercial Invoiceをそのまま通関用としても使用していますが、場合によっては(税関により特定の様式が指定されている場合など)通関のためだけにインボイスを発行することもあり、この通関用インボイスのことはCustoms Invoiceといいます。

【Consular Invoice】

 また国によっては(主に発展途上国)、輸入時に税関でConsular Invoice(領事送り状)が必要となる場合もあります。これは、輸入時の脱税の防止や統計資料の作成のために要求されるもので、この場合輸出者は作成したインボイスを日本国内にある輸出先の国の領事に認証してもらいます。ちなみに認証を受けるためには手数料もかかります。


【Proforma Invoice】

 このほか、Proforma Invoiceというものも貿易取引ではよく使用されています。

 しかし、インボイスという言葉は使われているものの、実はこれはいわゆるインボイス(請求書)ではなくて見積書のことです。Proformaというのは「仮の」という意味で、「正式なインボイスではない仮のインボイスですよ=交渉段階の明細書、見積書」を表しています。

 

 Customs InvoiceやConsular Invoiceと違って、一般的なCommercial Invoiceは基本的に記載しなければ行けない事項さえ抑えておけばいいので、記載方法や項目など自社が使いやすいようにフォームをアレンジして作成してはいかがでしょうか。





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